MG SCHOOL国際活動
INTERNATIONAL ACTIVITIES

2008年3月29日(土)〜4月20日(日)
フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロと
グッビオの小書斎(ストゥディオーロ)


中部イタリアにおける人文主義とルネサンス
会場:イタリア文化会館 エキシビジョンホール


この度、地元の職人達が5年以上の歳月をかけて作成した、モンテフェルトロ公の小書斎(ストゥディオーロ)の高精度な複製が完成し、イタリア大使館にて催されたこの展示会でのMG生のための特別ガイドツアーに、校長ガチーニと8人の生徒が参加しました。

 

<フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ公と小書斎(ストゥディオーロ)について>



ウルビーノ
公国の君主であったフェデリーコ・ダ・モンテフェルロ公(1422-1482)は、
有能な傭兵隊長であると同時に、人文主義者また学者としての素質を併せ持った人物であり、
多くの教養人や芸術家との交友関係をもとに、宮廷に優雅なルネッサンス文化を花開かせました。
芸術の一大パトロンでもあった公爵が休息や読書、研究、友人との交友の場として使っていた部屋が、
「ストゥディオーロ」(小書斎)。ウルビーノのストゥディオーロがよく知られていますが、
グッビオのドゥカーレ宮殿にもありました。同じように、遠近法とトロンプルイユ手法を用いた
「自由学芸」のモチーフの寄せ木細工で装飾が施されていました。

オリジナルのストゥディオーロは1939年にニューヨークのメトロポリタン美術館に売却されましたが、
この度、地元の職人達が5年以上の歳月をかけて作成した実物大の高精度な複製が完成しました。
この展示では、グッビオのドゥカーレ宮殿に設置される前に世界で初めて披露される
このストゥディオーロのほか、フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ公が使っていた
聖書のコピーやルネサンス時代のオリジナル陶器15点、
ピエロ・デッラ・フランチェスカの著作「遠近法論」の高精度な複製などが展示されました。





鳥かご

フェデリーコ公紋章


球体



<左:定規・コンパス・砂時計・楽器 > <中央:短剣・器・太鼓・ふいご>
<右:兜・兜飾り・ムチ・よろいの一部・椅子の上に刀>

ストゥディオーロの緻密に計算された装飾プランは、
フェデリーコ・ダ・モンテフェルストロ哲学的信念と趣味を端的に表しています。
遠近法の法則を厳密に適用して表現された複雑な図象は、
「哲人政治家」というプラトン的概念を中心に据えています。

それはフェデリーコ・ダ・モンテフェルロが良き政府の土台と考えていたものであり、
政治の道具としての文化の力という概念は、紋章や勲章、戸棚の中や長いすの上に置かれた事物、
すなわち古代の文筆家の本(書見台に開いて置かれた『アイネイス』のページ)や
科学の器具類(天文観測のための天球儀や四分儀、または幾何学の実践に必要な三角定規やコンパス)、
リュートやオルガンといった精巧な楽器類、菓子箱など日常の気晴らしのための事物、
兜や剣といった軍人の職業に必要な道具類の描写に表現されています 。

この鑑賞会では、小書斎にてだまし絵の鑑賞をした後、イタリア文化館館長夫人である、ドナーティー悦子さんのお招きに預かり、12階へと移動しました。

ドナーティー家のベランダから見える桜はまさに見頃で、ふるまわれたチョコレートとコーヒーを頂きながら、春を楽しみました。

更に階下・地下2階ではプッチーニのオペラが催されており、トスカ・蝶々夫人といった、テノールとソプラノの素晴らしい演奏を鑑賞した後、大満足のうちに解散しました。