MGスクールの国際活動
 
イタリック体をマスターする  出版記念会
パリ ユネスコ「国連教育科学文化機関」 にて

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1999年12月17日、パリのユネスコ本部において、
MGスクールの校長であるミュリエル・ガチーニのイタリック体のテキスト
How to master the Chancery  Hand」の出版記念会が催されました。

松浦晃一郎ユネスコ事務局長ジョゼフ・ポット言語部長のスピーチの後、
“WEST MEETS EAST”と題されたミュリエル・ガチーニによる講演会が行われました。

当日は折からの嵐にもかかわらず、ユネスコらしく世界各国の方々約200人が集まり、 なごやかに交歓会が催されました。
MGスクールで研鑽後、MGスクールでイタリック体とゴシック体のクラスを受け持つ山田由江講師が
“WEST MEETS EAST”(西洋は東洋に出会う)にガチーニとともに出席して、作品を展示しました。

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「精神を高め、品性を磨く

ユネスコ言語部部長ジョゼフ・ポット氏によるスピーチ 

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本日ガチーニ夫人をお迎えするにあたり、三つの大切な教えをお話したいと思います。


 1. 書道を通して私達が学ぶことができるのは外面の美(形の美)と内面の美(心の上品さ)についてです。
美はギリシャ語でkalosといいますが、この概念は、心の
あたたかさや正直さと一致するものです。
古代においては、kalos kai agatos, すなわち“美しく寛大”というような言い方がなされていて、
内面的な美しさのない美はありえませんでした。ガチーニ夫人が我々に手ほどきしてくださる書道は、
精神を高めて品性を磨く芸術でもありますから、品格というものが疎んじられている今日
この教えは非常に大切です。

 2. How to Master the Chancery Handの著者から私達への第二のメッセージは、
書道の芸術的、言語的な価値を超越したものであります。それは、普遍のメッセージであり、
多様な文化にまたがる働きかけを通して、東洋と西洋が出会うことや、芸術や詩、
美しい文字を愛することで私達を結びつける働きをします。ここユネスコで、
出会いの場をつくられたガチーニ夫人に感謝したいと思います。
ここはすべての言語と文化の普遍の家なのですから。

 3.この催しから学ぶことのできる三つ目の教えは、この古い世界の書の伝統を守り、
何世紀にもわたって伝えられてきた私達の遺産を受け継いでいくという我々に課された緊急の課題であります。
ガチーニ夫人は、書の芸術が21世紀の夜明けに近い今日まで生き続けていることを証明して下さいました。
これは、単に博物館のテーマではなく、人類の未来のテーマであります。といいますのも、美しいもの、
特別なもの独自のものとは常に現実的な概念だか
であります。予言者たちが何と言おうと形の美や、
心の美しさを求める男女がいる限り、明日の世界は画一化、規格化、没個性化とは無縁でありましょう。

 なお、本日のこの催しは、事務局長が就任演説の中で示された方針に則したものであることを、
ここに付け加えさせ
ていただきます。
“ユネスコは、私達の芸術の遺産や作品を保護するのと同様に、
私達の数多い言語の遺産を守っていくように手助けしていく責任がある。”
−事務局長のこのお言葉を私ども言語部では、基本目標と考えております。


 最後に、短い諺を引用させていただきます。
これは、現在消え去ろうとしている危機に瀕した言語のひとつによって書かれたもので、
この言語はかつて素晴らしい書の型をつくりだし
,
またフランク王カール大帝の母国語でもありました。
ここにおられる皆様方はほとんど、この言語の名前であるLothringer Plattすら
ご存じないと思われますので、 私がこの意味を翻訳させていただきます。

「あなたがたは中国語で書くこともできるし、フランス語やドイツ語で書くこともできる。
しかし天国においてはすべての言語は等しく同じである。」

ご静聴ありがとうございました。


「文字は文化にとって不可欠
ユネスコ事務局長松浦晃一郎氏による開会のスピーチ

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本日は、著名な書道家であり、東京で
西洋書道スクールの校長をしていらっしゃる
ミュリエル・ガチーニ夫人をお迎えすることができ、
大変喜ばしく存じます。
「西洋と東洋の出会い」というテーマのもとで、
彼女の最新の著作を紹介させていただきます。

書道は、東洋を起源とする芸術であると
ほとんどの人が信じているようでありますが、
西洋にも価値の高い書が存在することを
忘れてはなりません。

彼女の著作で紹介されている
さまざまな言語における書の芸術は、
ユネスコの主な活動目的の一つである
「教育による諸言語の普及」について、
我々に考える機会を与えてくれています。

 言語と言うのは、学問を伝える手段であります。
ある技術を學ぶために特定の言語を選ぶことは
その社会全体にとって、計り知れない
文化的意味を持ちます。例えば、抽象概念や
考えを正確な言葉で表現するための
専門用語なしには、科学の進歩はあり得ません。
意思伝達の新しい方法は、多言語教育の発展を
促すと同時に、国際社会における
言語の多様性を促進することを助けます。
言語は、文化にとって必要不可欠な伝達手段であり、
多くの人々にとって、彼らの無形の遺産を伝える
媒介なのです。

 今日の世界共同体は、ますます多文化になり、
そして絶えず変化しています。
その中で、
書道芸術は、私たちに書く喜び、
創り出す喜びを思い出させてくれます。

 ガチーニ夫人、あなたはこれまでの人生の中で、
数々の栄誉をお受けになって来られたと思いますが、
今日こうしてあなたの著作および書道への情熱を
皆様にご紹介するにあたり、ユネスコでは
あなたの才能と業績をここに改めて
讃えたいと思います。


ミュリエル.ガチーニによる講演会

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本日ここで皆様にお会いできますことは、
私にとりまして大きな名誉でございます。
みなさまから歓迎と励ましのお言葉をいただき、
ありがとうございました。
では、書の芸術:「西洋は東洋に出会う」を
時代の流れにそって、書の技法の進化をスライドを
使用しながら順をおってご説明いたします。
− (中略) − 
MGスクールではヨーロッパ文化に魅力を感じている生徒達に、
ヨーロッパにおいて過去何千年にもわたって実践されてきた
書と彩色の素晴らしい様式を発見してほしいと考えています。
MGスクールのモットーは、紋章の下に記されていて、
「学識のある人は、自分の中に富を持つ」です。
− (中略) − 
紋章デザイン科の生徒は、
そのコースの
勉強を終了するころには、いろいろな紋章を
正確に再現できるようになり、また自分自身の
紋章もデザインできるようになるでしょう。
− (中略) − 

最近日本で出版された私の著作
“How to Master the Chancery Hand”
(「イタリック体を習得する方法」) の中で、
西洋は東洋と出会います。この本の目的は、
イタリック体とも呼ばれるChancery Hand
(
単純で上品な様式を学ぶこと)を通して
私たちの文化の一面を紹介することです。
この簡潔で独自の教授法は、 私が過去16年間
西洋書道を教えてきた経験の中で培われてきたのですが、
これは本の題名が示すとおり、生徒達にイタリック体を
習得するためのあらゆる手段を授けるものです。
− (中略) − 

日本人はむかしから西洋や、西洋の言葉、英語やフランス語に対して
心を開き、今日では多くの人々がこれらの言語を
理解するようになっています。 教本と練習帳は三カ国語つまり、
日本語、英語、フランス語で書かれていますが、
これらの言葉は私が生徒に教える際にいつも使っている言葉です。
ですからこの本は、これら三つの言語に触れるきっかけにもなり、
同時に私達の文化の一面を学ぶ助けにもなるでしょう。
教本には、過去及び現在の習慣の中から、生活行事を祝う術を
復活させる実用例が湿されています。
− (中略) − 

書道を実践することは、
単に個人的豊かさをもたらすだけでなく、
そこから得られるものは無限なのです。
私達一人一人には、芸術を生み出す隠れた才能があり、
その才能は形になってあらわれることを
ただひたすら待っているのです。
ー (後略) ー 
本日はお越しいただき、どうもありがとうございました。



MGスクールでは、一定のレベルに達した方には
ヨーロッパでの研修の機会を設けています。
また東京のMGスクールの授業においては
文字を通してヨーロッパの真髄に触れることが出来ます。

Mrs. Yoshie Yamada in front of her calligraphy work at UNESCO Headquarters in Paris


山田講師は、今回の旅行の中で
ガチーニが研究員であったパリの国立図書館の本部で、
ガチーニとともに数時間の写本研究に携わりました。